目次
液状凝集状態で加工される材料は、一般的に硬化に一定の時間を必要とする。
この間、化学的・物理的プロセスが起こり、材料が硬化する。
これらのプロセスは、熱の放出や吸収と関連している。
示差走査熱量計(DSC)を使って対応する熱量を記録することにより 示差走査熱量測定(DSC)を用いることで、定義された環境条件の関数としてプロセスの経過を観察することができる。その結果、硬化の最適条件に関する情報が得られ、調査対象の材料の品質パラメーターに関する結論を導き出すことができる。
デュロプラストとエラストマーの硬化
デュロマー、あるいはデュロプラスチックやエラストマーは、高分子を架橋することで最終的な強度を得るプラスチックである。 化学結合は反応性基で形成される。
反応は温度を上げ、反応性基の橋渡しをする物質(硬化剤)を加えることから始まる。
デュロマーは密接に結合した空間ネットワークを形成する。 そのため、高い強度が得られる。 エラストマーの網目は広い。 そのボール状の高分子は引っ張られるとバラバラになり、引っ張られた力がなくなると元の状態に戻る。 架橋が完了すると、プラスチックは寸法が安定する。 このプロセスは硬化と呼ばれる。

非晶性熱可塑性プラスチックの例:
PS:玩具、ボビン、フィルム、PVC:容器、パイプ、フィルム、遮音・断熱材、テーブルクロス
半結晶性熱可塑性プラスチックの例:
PE:容器、ボトル、パイプ、腐食防止層、PP:絶縁フィルム、パイプ、粘着テープ
熱硬化性樹脂の例:
PF(フェノール樹脂)とUP(ポリエステル樹脂)の耐熱・電気絶縁ハンドル
エラストマーの例:
弾力性のある機械部品、スポーツフィールド、スキーブーツに使用されるポリウレタン
硬化中、プラスチックは様々な段階を経る。
出発材料は通常、液体溶液の形をしている。
これは、高分子が溶媒中に細かく分散していることを意味する。
ポリマー系に依存する最低温度で、溶液中で架橋反応が始まり、その結果ゲルになる。
ゲルは不溶性の架橋成分で構成され、その間の空間は溶媒を包んでいる。
ゾルとゲルの混合物は、最初はゴム弾性である。
熱硬化性樹脂の場合、架橋度が増すにつれてガラス状になる。
硬化は最大硬化度まで続き、その時点でゾルは完全にゲルに変化する。
エラストマー系では、ゲルは完全な架橋後もゴム弾性の状態を維持する。
それぞれの挙動は最終的に ガラス転移温度によって決定される。
デュロマーでは硬化温度以上、エラストマーではそれ以下である。
ガラス転移温度以上では、ポリマーは柔らかく、分子は動きやすくなり、それ以下では、材料はむしろ固く、もろくなる。

硬化レベル
硬化が起こる期間は、ポリマー系の材料特性と温度に依存する。
システムに依存する限界温度以下では、有意な架橋は起こらない。 ゾルは長い時間かけて固体になるが、加熱によって再び液化することができる。
この限界温度を超えると、架橋反応は一定の「休止時間」の後に始まる。 休止時間」は短くなり、反応速度は温度が上がるにつれて速くなる。
架橋反応は不可逆的である。 最初の混合物をどのくらい処理できるかは、静置時間に依存する。 この期間をポットライフと呼ぶ。 ポットライフは、抑制剤の添加で延長でき、触媒の添加で短縮できる。
反応速度は、ポリマー系が完全に硬化するまでに必要な時間を決定する。 阻害剤や触媒の添加も、この時間によってコントロールできる。 しかし、架橋が起こる温度も大きな影響を与える。 架橋がどの程度進行しているかは、硬化度によって表される。 これは、すでに架橋している混合物の割合である。 硬化度が最大になるのは、ゾル全体がゲル化したときである。
反応エンタルピー
架橋反応は発熱性であり、すなわち熱の放出下で起こる。 プロセスは一定の圧力で行われるため、熱に関連した体積変化によって消費されない熱量のみを決定することができる。 この部分が反応エンタルピーである。 このエンタルピーは、終了した反応の熱分析によって求めることができる。
示差走査熱量測定(DSC)によって、単位時間当たりにどの程度の熱量が自由になるかを決定することができる。 この値は反応速度に対応する。 ある時点までに放出された熱量は、反応のエンタルピーと関連づけることができる。 この比率は硬化の程度に等しい。
得られた値から、サンプルの最適硬化温度と硬化度を決定し、ゾルと硬化剤の適切な混合比を決定し、抑制剤と触媒の効果を評価することができる。