融解とは、物質が固体状態から液体状態へ相転移することである [1、2.5.7章]。 融解プロセス中、物質の温度は一定に保たれます。 つまり、ファーネスまたはヒーターによってDSCに導入された熱は、試料を液体状態に変換するために使用されます。 このために必要なエネル ギーは融解エンタルピーと呼ばれ、式記号∆HMで省略されます。 DSC測定中に試料が融解すると、吸熱方向にピークが形成されます。 物質の比融解エンタルピーは試料の同定や評価のために考慮されるため、実際には通常、測定結果は自動的に試料質量で除算されます。
したがって、以下では、決定されたエンタルピーはすでに試料重量で除算されていると仮定する。 この過程が試料の他の過程と重畳していなければ、ベースラインは融解過程の後、相変態前の値に戻る。 このピーク面積を積分することで、エンタルピー∆HM が決定されます。 ピークの形状とピーク前後のDSC信号に応じて、実際に記録されたエネル ギーをできるだけ正確に表現するためのさまざまな評価方法があります。 物質の混合物が存在する場合、混合比は別々の評価によって、また対応する物質の融解エンタルピーの文献値を使用することによって決定することができる。 物質の2つの融解ピークが非常に近接している場合、二重ピークや肩のピークが発生することがある。 これらのピークは、互いに融合したり、重なり合ったりするため、信頼できる記述を行うためには、別々に評価する必要がある。 そのようなピークの例を2つ挙げ、関連する温度とともに以下に評価する(図1)。

文学:
- B. Wunderlich, 高分子材料の熱分析. ベルリン、ハイデルベルク:Springer-Verlag Berlin Heidelberg, 2005.
- 繊維およびエラストマーの熱分析 動的示差熱分析(DDK), DIN 53965, 1994.